冬季の入浴に潜む危険と、安全な入浴方法一覧へもどる

日本人にとって欠かせない毎日の入浴。消費者庁では、冬季に多発する入浴中の事故へ注意喚起をしています。データを基に、冬季の入浴に潜む危険を正しく理解し、入浴中の事故を防止するためにこの機会に入浴習慣を見直しましょう。

【目次】
1、高齢者の「入浴」事故による死亡者が多い
2、ヒートショックとは
3、安全な入浴方法 6つのポイント
4、冬、部屋の寒さ対策には窓リフォーム

 

1、 高齢者の「入浴」事故による死亡者が多い

高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数の年次推移

△データ1 高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数の年次推移
厚生労働省「人口動態調査」調査票情報を基に消費省庁で作成。

こちらのデータは、高齢者(65歳以上)の「不慮の溺死及び溺水」の死亡者数と、そのうち、「家」「居住施設」の「浴槽」における死亡者数を表したデータです。参考情報として、年間の交通事故死亡者数を出しています。高齢者の事故のうち「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は増加傾向にあり、特にその約7割を占める「家」「居住施設」の「浴槽」におけるものだけでも、平成23年以降、「交通事故」による死亡者数より多くなっています。

 

「家」「居住施設」の「浴槽」での「不慮の溺死及び溺水」による年代別・人口10万人当たりの死亡者数(平成19年・平成28年)

△データ2 「家」、「居住施設」の「浴槽」での「不慮の溺死及び溺水」による年代別・人口10万人当たりの死亡者数(平成19年・平成28年)
厚生労働省「人口動態調査」調査票情報を基に消費者庁で作成

「家」、「居住施設」の「浴槽」での死亡者数について、年代別に人口10万人当たりで見ると、年代が上がるにつれて増加していることが分かります。また、10年前と比べて、全年代で死亡者数が増えており、特に後期高齢者(75歳以上)の死亡者数が増えていることが分かります。

 

男女・発生月別に見た高齢者の「おぼれる」事故による人口10万人当たりの緊急搬送者数(平成28年)

△データ3 男女・発生月別に見た高齢者の「おぼれる」事故による人口10万人当たりの緊急搬送者数(平成28年)
東京消防庁「救急搬送データ」を基に消費者庁で作成

発生月別に見ると、冬季に多く発生している傾向がみられ、11月から3月にかけて、年間の事故数全体の約7割が発生しています。冬の寒さが事故数増加の要因に繋がっていると考えることができます。

2、 ヒートショックとは

冬の入浴時の事故の多くは、ヒートショックが原因と言われています。ヒートショックとは「暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が体に与えるショック」のことです。住宅の部屋と部屋の温度差がヒートショックを起こす原因となっています。特に、よく事例であげられるのが、冬場の入浴です。

△ヒートショックの例 入浴までの流れの図

●暖かい暖房の効いたリビングから、寒い脱衣所に移動する

●寒い脱衣所で衣類を脱ぎ、更に冷え切った浴室に入る

●身体が冷え切った状態から、熱い湯船につかる

こういった経験は、どなたも心当たりがあるのではないでしょうか。しかし、この急激な温度差が身体に負担をかけ、ヒートショックを起こしてしまいます

 

3、 安全な入浴方法 6つのポイント

① 入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。
② 湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。
③ 浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
④ 食後すぐの入浴、アルコールが抜けていない状態での入浴は控えましょう。
⑤ 精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険ですので、注意しましょう。
⑥ 入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらいましょう。

 

4、 冬、部屋の寒さ対策には窓リフォーム

住宅を断熱化し、寒さに強く部屋間の温度差が少ない住宅に断熱リフォームをすれば、ヒートショックの予防に繋がります。また、住宅全体がリフォームできない場合は、脱衣所や浴室等の寒い部屋をピンポイントで断熱リフォームをすることも、効果的です。脱衣所や浴室に窓がある場合は、窓が寒さの大きな要因になっています。ぜひ、窓のフォームを検討しましょう。

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