実は道路より危険?!断熱性能の低いお家に潜む危険一覧へもどる

窓は熱の出入り口です。
特にマンションは躯体の性能の良さから気密性が高く、
より開口部の果たす役割が大きくなっています。
ここでは窓・ドアなどの開口部の果たす役割について、断熱性能の低い家に潜む危険について解説致します。

快適な住まいに欠かせない窓

熱効率を考えれば、窓はないほうが効果的です。
ですが光の差し込まない密室状態になるため、
大多数の人は閉じ込められているような気息苦しさを感じるのではないでしょうか。

昔の家は空気の通り道を考えて設計されていました。
これはもちろんエアコンがなかったからと、他に湿度コントロールするすべがなかったからです。
湿度を下げることで、除湿効果を高めるという考え方です。
今でも風通しの良さを確保した設計が好まれるのは、
風が通り抜ける家が気持ちよく暮らせると考える方がいらっしゃるからです。
快適に暮らす為には窓がかかせないものなのです。

窓があるのは、それが私たちの生活にとって必要なものだからです。窓がない真っ暗な家も、風通しの良すぎる家もごめんです。
ですから中間を選んで、窓のある、でもエネルギー効率のいい家を考える必要があるのです。

窓は大きくなればなるほど、その性能を高める必要があります。

窓は熱の出入り口

出典:社団法人日本建材 住宅設備産業協会 資料

お部屋の暑さ、寒さは窓から来ています。
冬、建物から逃げ出す暖かい熱の48%は、窓・ドアから。夏、外から入り込む暑い熱の73%も窓・ドアから来ているのです。
エアコンをつけてもお部屋がなかなか暖まらない、涼しくならないといったことはございませんでしょうか。
それは、涼しさや暖かさが「窓」からどんどん逃げていることが原因です。
これではいくら高効率のエアコンを導入しても、無駄なエネルギーを消費する一方です。
床や壁、天井など、断熱性能を見直す部位は色々ありますが、まずはもっとも効果が期待でき、
簡単な工事で済む「窓」のリフォームをおすすめします。
「窓」の断熱をしっかり行うことが、1年を快適に過ごすための近道ということです。

ヒートショックの主な原因は「窓」

脳卒中や、心臓発作等引き金になることが多い住宅内の温度差によるショックを「ヒートショック」と呼びます。
ヒートショックは暖かい部屋から、暖房のない廊下やトイレなどに移動した場合、血圧の上昇や心拍数の増加が起こります。
これは健康な人にも起こりますが、血圧の高い人には大敵です。
寒冷地の温泉などで血圧の高い方が倒れることが多いのはこのせいです。
このヒートショックは当然寒い地域で起こりやすいのですが、意外なことに北海道では少ないのが現状です。
北海道の家は基本的に窓の断熱性を高めた高気密住宅だからです。
ヒートショックを防ぐには、断熱性能を高めることが重要です。

出展:ヒートショックの原因と対策

ヒートショックのメカニズム
出典:トムハウス「浴室の改修工事について」

 

2018年の交通事故死亡者数は過去最低の3,532人(事故後30日以内に亡くなった人)であるのに対して、
ヒートショックで亡くなった人は推定で19,000人と言われています。

また、ヒートショックは、高齢者が家の中でで亡くなる原因の4分の1を占めています。