戸建リフォームの窓選び【断熱編】一覧へもどる

窓の断熱リフォームの方法はいくつかありますが、どれが最善なのか、性能がどう違うのか、疑問を抱く方も多くいらっしゃると思います。ここでは、戸建住宅の窓の断熱リフォーム方法とその違い、目安となる断熱性能の値についてご案内します。

窓の断熱リフォーム方法は4種類

戸建住宅の窓の断熱リフォームの方法は大きく4種類あり、違いは下記の通りです。

メリット、デメリットが各工法ともにありますので、リフォームをお考えの窓には、どの工法が適切か検討してみましょう。例えば、よく出入りするベランダの掃き出し窓でしたら、開け閉めが重くならず、2回開ける手間の無い、カバー工法か外窓交換がおすすめです。逆に、あまり開け閉めすることのない部屋の小窓には、費用対効果の高い内窓がおすすめです。
そのほか、築年数が経ち元の窓の性能が落ちている場合には、ガラス交換をしても性能が出にくいことがあるので注意が必要です。

性能については、メーカーカタログに掲載されていて明確にわかるものと、そうでないものがあります。ガラス交換とカバー工法は元の窓の性能に左右されるため、正確な性能値を出すことはできません。新しく入れるガラスの性能値や、新しくカバーする窓の性能値から推測することになります。

■各工法については、下記のページもご参考ください。
初めての窓リフォーム どんな方法があるの?

断熱性能の目安

工法ごとの断熱性能

工法ごとの断熱性能の目安は下記の通りです。数値が小さいほど断熱性能が高くなります。ガラス交換は、元の窓がアルミサッシ(1枚ガラス用)だった場合で計算しています。カバー工法は新しくカバーされる窓の性能を記載していますが、元のサッシ枠がアルミ製だった場合には若干性能が落ちると推測されます。

窓の断熱性能の目安

窓の断熱リフォームにおいて断熱性能の目安の1つとなるのが、国の優遇制度です。窓の断熱リフォームには、国や自治体から助成金が出たり、減税制度が適用されたりします。各制度の目安となる断熱性能の数値は下記の通りです。

リフォームでも熱貫流率2.33以下の窓を

注目は、環境省の補助事業であるSII補助金(断熱リノベ)(正式名称:令和2年度 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業)です。この補助事業は2013年度から名前を変えながら継続しており、多くの自治体の補助金制度の指標となっています。窓リフォームで断熱性能を考える場合には、新築と同様に熱貫流率2.33以下の性能の窓がおすすめです。この性能を満たすものは、内窓に入れるガラスは複層ガラス、Low-E複層ガラス、真空ガラスなど外窓交換では、「アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラス」となります。

なお、国土交通省の省エネリフォーム減税制度の要件は4.65以下「アルミサッシ+複層ガラス」ですが、2018年には住宅サッシの出荷の半分以上がアルミ樹脂窓、戸建住宅におけるLow-E複層ガラスの普及率が8割を超えていることを考えると、おすすめできる仕様とはいえません。

ガラス交換では熱貫流率2.3以下のガラスを

ガラス交換でもSII補助金(断熱リノベ)の要件が一つの目安となります。2020年度の対象製品では、グレードG1が1.5以下、G2が1.6~2.3となっています(マンションではグレードによって補助額が変わります)。ガラス交換の場合、元のガラスが1枚ガラスか複層ガラスかで、交換できるガラスの種類が変わってきます。まずは、ご自宅のガラスがどちらなのかを確認しましょう。

ガラス交換に使われる主なガラスの断熱性能(熱貫流率)は下記の通りです。数値が小さいほど断熱性能が高くなります。窓の性能ではなく、ガラスのみの性能なので気を付けましょう。また、元の窓によっては交換できないガラスもあります。

■窓の断熱リフォームが対象となる優遇制度については、下記のページをご参考ください。
初めての窓リフォーム お得な補助金

■新築・スケルトン改修などの増改築をお考えの方は、下記の記事もご参考ください。
新築・増改築の窓選び【断熱編】
新築・リフォームをご検討中の方へ 住宅窓おすすめ4選~今選ぶなら高断熱窓~