新築・増改築の窓選び【防災編】一覧へもどる

近年、台風被害の深刻化などを受け、防災に備えた住まいづくりが注目されています。ここでは、防災視点での窓選びのコツをお伝えします。※戸建木造住宅に絞ってご案内しています。

防災視点での、窓の2つの性能基準

1.耐風圧性

強風など内外からの力に対してどの程度耐えられるかを表す性能です。日本サッシ協会では、一般的な戸建住宅における耐風圧性能の目安を下記のように示しています。ただし、風を受けやすい高台や沿岸部などの立地条件によっては、より高性能な窓の検討が必要です。

■選択の目安

■耐風圧性のJIS等級

データ引用元:一般社団法人 日本サッシ協会

2.水密性

屋内への雨水浸入をどの程度防げるかを表す性能です。日本サッシ協会では、建物の立地や種別ごとに水密性能の目安を下記のように示しています。水密性の等級は、過去の気象データを見ると、一般的に“風が強いと雨が少なく”・“雨が多いと風が弱い”という傾向が見られるため、耐風圧性の風圧より低く設定されています。ただし、建物の立地条件や高さ、使い方などによっては、より高性能な窓の検討が必要です。

■必要等級の目安
■水密性のJIS等級

データ引用元:一般社団法人 日本サッシ協会

近年の台風被害

日本では、ここ数年台風の被害が甚大化しています。台風には階級レベルがあり、2019年に千葉県に深刻な被害をもたらした台風15号は「非常に強い」台風となります。「非常に強い」台風の風速は44.54m/s。2019年の台風15号の最大瞬間風速は57.5m/sでした。こうした災害に備えることを考えると、耐風圧性能はS-3等級を最低限確保したいところです。台風の被害をより受けやすい地域においては、S-3等級以上の性能の検討も視野に入ってきます。

【参考】耐風圧性能S-4等級以上の木造住宅用サッシ
■ YKKAP「エピソードⅡ NEO-R」
耐風圧性能 S-5等級・水密性能 W-5等級
https://www.ykkap.co.jp/products/window/neo_r/

■ 三協アルミ「アルジオ」
耐風圧性能 S-4等級・水密性能 W-5等級
https://alumi.st-grp.co.jp/products/window/algeo/

飛来物の被害を防ぐには、シャッターまたは合わせガラス

2021年現在、首都圏の新築木造戸建住宅で最も多く採用されているサッシであるアルミ樹脂複合サッシおよびアルミサッシは、主要サッシメーカー3社とも、耐風圧性能S-3等級、水密性能W-4等級が標準仕様となっています(一部の窓種・サイズでは異なります)。日本サッシ協会の出している目安において、耐風圧性能は3階程度、水密性能は郊外住宅にも適した性能となっています。

(画像引用元:LIXIL WEB)

ただ、風圧に耐え、雨水の侵入を防ぐことはできても、飛来物によるガラスの貫通を防ぐことはできません。シャッター合わせガラスを採用することで、ガラス割れによる被害を防ぐことができます。合わせガラスは2枚のガラスの間の中間膜により、ガラスの飛散を防ぎます。大きな掃き出し窓にはシャッターを、腰窓など小さい窓には合わせガラスを採用するなどの使い分けがおすすめです。シャッターも合わせガラスも、防災対策だけでなく防犯対策としても有効です。

安全合わせ複層ガラス
(画像引用元:YKKAP「エピソードⅡ」カタログ)

合わせガラスと1枚ガラスの割れ方の違い
(画像引用元:YKKAP「エピソードⅡ」カタログ)

まとめ

窓の防災対策として、飛来物を防ぐためにはシャッターや合わせガラスを採用することがおすすめです。また、より台風などの被害を受けやすい地域では、サッシ自体のグレードを上げることで水密性能が最高等級となり、暴風雨による雨水の侵入を防ぐことができます。お住まいの環境に合わせて、防災視点でも窓選びをしていきましょう。