大庭みゆき氏コラム【私の快適性×窓】4一覧へもどる

≪プロフィール≫
株式会社 環境エネルギー総合研究所 代表取締役所長 大庭みゆき氏

財団法人省エネルギーセンター勤務を経て平成10年、株式会社環境エネルギー総合研究所を設立しました。「生活者の視点でフィナンシャルにエネルギーを考える」をモットーに、家庭を中心としたエネルギー関連調査、省工ネアドバイスを行っています。納得できる暮らしの質の向上にこだわる住宅などの研究にも注力されています。

エネルギー関係のエンジニアであり主婦でもある大庭氏に今月から4回に分けて、女性の視点とエンジニアの視点の両方から様々な角度で「窓」についてお話いただきます。

株式会社 環境エネルギー総合研究所 http://www.eer.co.jp/

【第四回】スペーシア×〇〇

スペーシア×○○とは、真空ガラス「スペーシア」と何か他のコラボという意味です。

1.スペーシア×オープンキッチン

 近年の住宅トレンドの一つにオープンキッチンがあります。オープンキッチンは料理をしながらリビングやダイニングの様子が見えるので、子どものいる家庭によく好まれます。

 実は我が家もオープンキッチンですが、実際に使ってみると困ったことも出てきました。その一つが冷房使用時に料理をするとその熱がリビング側に流れて、リビングが暑くなることです。省エネ的に言うと、料理の熱によって冷房している室内の熱量が増加し、それを取り除くためにエアコンは余計な電気を使って冷すことになり、増エネになります。

 そこで、考えたのがスペーシアとのコラボです。キッチンの前にスペーシアの壁を作るということです。これによってキッチンとリビング側の景観(見通し)は連続しつつ、空間(熱の出入りを防ぐ)を区切ることができるようになります。(スペーシアではないガラスで区切られているのはレストランなどでも見かけることがありますね。)

2.スペーシア×UVカット

 突然ですが、虹の一番下の色は何色でしょうか?答えは「紫」です。人が見える光(これを可視光線と言います)の中で最も波長が短い色が紫で最も波長が長い色が赤です。紫より更に波長が短いもの、つまり紫の外だから「紫外線」、英語で言うと「Ultra Violet.」。どこかで聞いたことがありませんか?そう日焼けどめや日傘などに使われているUV防止、UV加工等の「UV」です。

 そしてこのUVにスペーシアは大きく関わっています。スペーシアが赤外線だけではなく紫外線も通しにくいことをご存知ですか?例えばスペーシアクール静の場合UVカット率は99.8%、つまり有害紫外線をほとんど通さないので畳や家具、カーテンの変色、褐色を防ぐ効果があります。私の実家では和ダンスの置いてある部屋にスペーシアを入れています。絹が紫外線で黄変することを防ぐためです。大切な着物の保管にもスペーシアは活躍しています。

 また紫外線は太陽光だけではなく蛍光灯等一部の照明ランプからも出ることがあります。夜、蛍光灯をつけたら虫が集まってきたというご経験はありませんか?虫は300nm~400nm(ナノメーター、1mmの1/1000000)の紫外線に集まりやすい性質があるからです。網戸に虫がびっしりで、掃除が大変というお宅にもスペーシアをオススメします。室内照明から出る紫外線をカットするので、虫が集まりにくくなります。

3.スペーシア×グリーン

 東京に住んでいると時々無性にが恋しくなります。アジアンダムやつりしのぶ等は葉が軽やかで今からの季節にはピッタリです。透け感のある葉を見ているだけで、涼しさを感じられます。エアコンをかけている部屋では特に自然のがあると「ホッ」した感じを受けます。私もアジアンダムが大好きで350円程度の鉢植えを5つぐらい買って、寄せ植えをして楽しんでいます。ちょっと欠けたけれど捨てられないガラスの鉢や使わなくなった花器等を使ってもステキです。我が家にはガラスのテーブルがあるので、たまにはそのテーブルの下にグリーンと揺らぐLEDランプを置いて、楽しんでいます。

ところが困ったことが一つあります。それはアジアンダム等の軽やかなグリーンが太陽光と熱にめっきり弱いということです。ちょっと油断するとすぐにしおれてしまい、葉が枯れます。一旦枯れた葉はもうどうしようもなく、泣く泣く処分することになります。

 しかしスペーシアの入った窓ならばそんな心配は無用です。可視光線を通して、赤外線を通しにくいスペーシアはアジアンダムにとって最適な窓です。

 今回は『窓』をテーマに4回にわたってコラムを掲載してきました。このコラムを読んで頂くことで、を色々な視点から見ると別の景色がみえてくることに気づいて頂けたら嬉しいです。どこの家にも必ずある窓、は私たちの暮らしを豊かにしてくれたり健康にしてくれることもできる中々の優れものです。我が家の窓をもう一度見直してみませんか?